返済が遅れると、貸金業者から督促が来ます。これ自体は正当な権利行使です。ただし、やり方には法律の枠があります。
私は消費者金融の審査部に7年いました。督促部門とは同じフロアで、「21条に触れないか」は社内で最も厳しく管理されていた項目の一つです。この記事では、取り立て規制を条文の作りから説明します。どこまでが適法で、どこからが違法か。違反されたら何ができるか。自分で判断できる状態を目指します。
目次
先に結論を書きます
| 知りたいこと | 答え | 根拠 |
|---|---|---|
| 取り立てを縛る法律は? | 貸金業法21条。禁止行為が10個、条文に列挙されている | 貸金業法21条1項1号〜10号 |
| 電話してはいけない時間は? | 午後9時〜午前8時(正当な理由がない限り) | 貸金業法施行規則19条1項 |
| 違反したらどうなる? | 2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(併科あり)。加えて業務停止・登録取消の行政処分 | 貸金業法47条の3、24条の6の4 |
| 弁護士に頼むと止まる? | 受任通知が届いた後、正当な理由なく本人へ直接請求を続けることは禁止されている | 貸金業法21条1項9号 |
| 闇金の取り立ては? | 年109.5%を超える利息の契約は、契約そのものが無効。21条以前の問題として警察へ | 貸金業法42条1項 |
ここは押さえておいてください。督促されること自体は違法ではありません。違法になるのは、時間・場所・相手・方法が条文の線を越えたときです。線の位置を知っていれば、怖がる必要のない督促と、相談すべき督促を分けられます。
前提として:取り立て規制はどこに書かれているのか
「取り立て規制」は一つの条文で完結していません。法律・内閣府令・監督指針の3層でできています。まず全体の地図を置きます。
| 層 | 条文・文書 | 決めていること |
|---|---|---|
| 法律 | 貸金業法21条1項 | 取り立てで禁止される言動(柱書+1号〜10号) |
| 法律 | 貸金業法21条2項 | 督促の書面・メールに必ず書くべき事項 |
| 法律 | 貸金業法21条3項 | 求められたら、業者名と取り立て担当者の氏名を明らかにする義務 |
| 内閣府令 | 貸金業法施行規則19条 | 禁止時間帯(午後9時〜午前8時)、督促書面の送り方など |
| 監督指針 | 金融庁「貸金業者向けの総合的な監督指針」Ⅱ-2-19 | 「正当な理由」の例、条文の解釈、行政がどう監督するか |
| 法律(罰則) | 貸金業法47条の3、49条、51条 | 違反したときの刑事罰 |
| 法律(処分) | 貸金業法24条の6の3、24条の6の4 | 業務改善命令、業務停止、登録取消 |
規制の対象は「貸金業者」だけではない
21条の主語は「貸金業者」ではなく「貸金業を営む者」です。さらに「取立てについて委託を受けた者」も含みます。つまり、次の全員が対象です。
| 対象 | 具体例 |
|---|---|
| 登録貸金業者 | 大手・中小の消費者金融、信販会社のキャッシング部門など |
| 取り立ての委託を受けた者 | 回収を委託された会社・個人 |
| 債権を譲り受けた者 | 貸金業者から債権を買い取った会社(24条2項で21条を準用) |
| 無登録で貸金業を営む者 | いわゆる闇金。「貸金業を営む者」に当たるため、21条の禁止は及ぶ |
債権が別の会社に移っても、取り立てのルールはついて回ります。「うちは貸した会社じゃないから関係ない」は通りません。
貸金業法21条1項が禁止している10の行為
21条1項の柱書は、取り立てにあたって「人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない」と定めています。そのうえで、具体的な行為を10個並べています。
| 号 | 禁止されている行為(条文の要旨) | 読み方のポイント |
|---|---|---|
| 1号 | 正当な理由なく、午後9時〜午前8時に電話・FAX・自宅訪問をすること | 時間帯は施行規則19条1項で特定 |
| 2号 | 債務者が返済日や連絡時期を申し出たのに、正当な理由なく、上記以外の時間帯でも電話・FAX・自宅訪問をすること | 昼間でも違法になりうる。申出が社会通念上相当であることが前提 |
| 3号 | 正当な理由なく、勤務先など自宅以外の場所に電話・電報・FAX、または訪問すること | 職場への督促は原則禁止 |
| 4号 | 自宅・勤務先などで「帰ってほしい」と言われたのに退去しないこと | 居座りの禁止 |
| 5号 | 貼り紙・立看板など方法を問わず、借入れの事実や私生活に関する事実を第三者に明らかにすること | 近所・職場に借金を知らせる行為 |
| 6号 | 他から借りるなどして返済資金を用意するよう要求すること | 監督指針は「クレジットカードで払えと要求する」も該当しうるとする |
| 7号 | 債務者以外の人に、代わりに返済するよう要求すること | 親・配偶者・兄弟に「代わりに払え」 |
| 8号 | 第三者が居場所の連絡などの協力を断っているのに、さらに協力を求めること | 家族や知人への繰り返しの問い合わせ |
| 9号 | 弁護士・司法書士への依頼や裁判所の手続きの通知を受けた後、正当な理由なく、本人に直接返済を求め、断られてもさらに求めること | 債務整理を依頼した後の直接督促の禁止 |
| 10号 | 上記(6号を除く)の行為をすると告げること | 「会社に行くぞ」「家族に払わせる」と言うだけで違反 |
この表の意味を分解します。10個は、大きく4つの軸に整理できます。
| 軸 | 該当する号 | 守られているもの |
|---|---|---|
| 時間 | 1号・2号 | 夜間・早朝の生活、本人が申し出た約束 |
| 場所 | 3号・4号 | 職場での立場、自宅の平穏 |
| 第三者 | 5号・7号・8号 | 借金を知られない利益、家族が巻き込まれない利益 |
| 手段・手続き | 6号・9号・10号 | 多重債務への誘導の防止、債務整理の実効性、脅しの予告の防止 |
10個に入っていなくても違法になりうる
見落とされやすいのがここです。金融庁の監督指針は、1号〜10号は「私生活若しくは業務の平穏を害するような言動」の例示だとしています。列挙にない行為でも、柱書に当たれば違反です。監督指針は、次の2つを「該当するおそれが大きい」例として挙げています。
- 反復継続して、電話・電報・メール・FAXを送ったり、自宅を訪問したりすること
- 保険金による債務の弁済を強要または示唆すること
昼間の電話でも、1日に何十回もかかってくれば柱書の問題になりうる、という見方もできます。
「正当な理由」があれば許されるのはどんなときか
1号・3号・9号には「正当な理由がないのに」という条件がついています。裏を返すと、正当な理由があれば夜の電話や職場への連絡も違反になりません。何が正当な理由に当たるかは、監督指針が例を示しています。
| 対象の号 | 「正当な理由」に当たる可能性が高い例(監督指針) |
|---|---|
| 1号(夜間・早朝) | ・債務者本人の自発的な承諾がある ・債務者と連絡をとる合理的な方法がほかにない |
| 3号(勤務先など) | ・債務者本人の自発的な承諾がある ・債務者と連絡をとる合理的な方法がほかにない ・連絡先が不明なとき、連絡先を確認する目的で第三者に電話する(ただし、やめてほしいと言われた後も続けるのは違反のおそれが大きい) |
| 9号(弁護士等の介入後) | ・弁護士・司法書士の承諾がある ・弁護士等への委任が終了したと通知があった |
2号の「申出が相当でない」とされる例も、監督指針に載っています。
| 2号で、申出があっても連絡してよいとされる可能性が高いケース |
|---|
| 返済や連絡について、具体的な期日の申出がない |
| 直近の申出(「◯日に払います」など)が守られていない |
| 通常の返済約定から著しく外れた申出(極端に先の日付など) |
| 猶予期間中に、申出に反して他社への返済をしていた |
| 猶予期間中に支払停止・所在不明などで、返済を受けるのが困難と確実になった |
ここから分かるのは、電話に出ない・連絡を絶つほど「正当な理由」が成立しやすくなるという構造です。「ほかに連絡手段がない」状態を自分で作ると、職場への連絡にも理由がつきます。督促を止めたいなら、まず業者と連絡がつく状態を保つ。これが制度上いちばん効く手です。
家族が電話に出た、は直ちに違反ではない
監督指針は5号について、自宅に電話して家族が出たときに貸金業者だと名乗ること、郵送物の差出人として貸金業者名を出すことは、家族に知られないよう本人から要請を受けている場合を除き、直ちに5号に当たるものではないとしています。家族に知られたくないなら、その旨を業者に伝えておくことが前提になります。
正規業者が「やってよい」督促の範囲
禁止の裏側として、適法な督促の形も条文で決まっています。正規の業者は、この枠の中で動いています。
督促状には書くべき事項が決まっている(21条2項)
| 号 | 督促の書面・メールに記載が必要な事項 |
|---|---|
| 1号 | 貸金業を営む者の商号・名称または氏名、住所、電話番号 |
| 2号 | その書面を送付する者の氏名 |
| 3号 | 契約年月日 |
| 4号 | 貸付けの金額 |
| 5号 | 貸付けの利率 |
| 6号 | 支払の催告に係る債権の弁済期 |
| 7号 | 支払を催告する金額 |
| 8号 | その他内閣府令で定める事項(施行規則19条3項:催告時点の残債務額、催告額の内訳など) |
あわせて施行規則19条2項は、督促書面を封筒に入れる、本人だけが使うと明らかなメールアドレスに送るなど、借入れの事実が第三者に分からない方法で送るよう求めています。はがきで借金の督促が届いた、業者名も担当者名もない、という場合は、この時点で形式が崩れています。
名乗りを求める権利がある(21条3項)
取り立てを受けた側が請求すれば、業者は商号と取り立てを行う者の氏名などを明らかにしなければなりません。「どちらの会社の、どなたですか」と聞いて答えない相手は、その時点で21条3項の義務を果たしていません。49条により、これに違反した者は100万円以下の罰金の対象です。
正規業者の督促は、段階を踏んで進む
延滞が続いた場合の一般的な段階を、制度上の位置づけで並べます。期間は契約や業者によって異なるため、ここでは段階だけを示します。
| 段階 | 業者の行動 | 法的な位置づけ |
|---|---|---|
| 1. 電話・メール・SMS | 入金の確認、支払予定日の聞き取り | 21条1項の時間・場所の制限内で行う |
| 2. 書面による督促 | 督促状の郵送 | 21条2項の記載事項、施行規則19条2項の送付方法に従う |
| 3. 一括請求 | 残金を一括で支払うよう求める | 契約書の「期限の利益喪失」条項にもとづく。条件は契約ごとに異なる |
| 4. 法的手続き | 支払督促や訴訟を裁判所に申し立てる | 判決などの「債務名義」を得て初めて、給与や預金の差押え(強制執行)ができる |
ここは押さえておいてください。業者が自力で給与や財産を取り上げることはできません。差押えには裁判所の手続きが必要です。「明日、家財を押さえに行く」といった言葉は、法的手続きを経ていなければ実行できないうえ、威迫として柱書に触れる可能性があります。
違反した業者はどうなるのか
21条違反には、刑事罰と行政処分の二本立てで対応する作りになっています。
刑事罰
| 違反の内容 | 罰則 | 条文 |
|---|---|---|
| 21条1項違反(禁止される取り立て行為) | 2年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその併科 | 47条の3第1項3号 |
| 21条2項・3項違反(督促書面の記載漏れ・虚偽、名乗りの拒否など) | 100万円以下の罰金 | 49条 |
| 法人の従業員が業務として違反した場合 | 行為者に加えて、法人にも各条の罰金刑 | 51条1項(両罰規定) |
※条文上の「懲役」は、2025年6月施行の刑法改正で「拘禁刑」に一本化されています。
この数字の意味を分解します。21条1項違反の法定刑は、2003年の法改正で「1年以下」から「2年以下」に引き上げられたものです(金融庁公表の改正法案要綱による)。立法者が取り立ての違法を軽く見ていないことは、この引き上げからも読み取れます。
行政処分
| 処分 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 報告徴収 | 行政が業者に報告書の提出を求める | 24条の6の10 |
| 業務改善命令 | 業務方法の変更など、改善に必要な措置を命じる | 24条の6の3 |
| 業務停止命令 | 1年以内の期間を定め、業務の全部または一部の停止を命じる | 24条の6の4第1項 |
| 登録取消 | 貸金業の登録そのものを取り消す | 24条の6の4第1項 |
監督指針は、取り立てに関する課題をつかんだ場合、まずヒアリングと報告徴収で自主的な改善を確認し、重大な問題があれば業務改善命令、重大・悪質な法令違反があれば業務停止命令等の発出を検討する、という順序を示しています。登録を取り消された業者は、取消しから5年間は新たに登録を受けられません。
正規業者にとって、21条違反は会社の存続に関わります。私がいた会社でも、督促の通話は録音され、内部監査で抜き打ちに聞き直されていました。監督指針も、録音の確認などで取り立ての実態を検証できる態勢を求めています。
違法な取り立てを受けたときの対処手順
感情的に言い返すより、制度が用意している手段を順番に使うほうが、結果につながりやすくなります。
| 手順 | やること | 根拠・理由 |
|---|---|---|
| 1. 記録する | 日時、相手の名前、電話番号、言われた内容をメモ。可能なら通話を録音。督促状は封筒ごと保管 | どの号に当たるかを後で特定するための材料 |
| 2. 名乗りを求める | 「会社名と担当者のお名前を教えてください」と聞く | 21条3項。答えない場合はそれ自体が違反 |
| 3. 業者の登録を確認する | 金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で商号・登録番号を照合 | 登録がなければ闇金。次の「闇金の場合」へ |
| 4. 相談窓口に連絡する | 下の表の窓口へ。行政への申告は処分のきっかけになる | 監督指針は苦情等を監督の端緒としている |
| 5. 弁護士・司法書士に依頼する | 債務整理を依頼し、受任通知を業者に送ってもらう | 21条1項9号。本人への直接請求が原則として止まる |
相談先の一覧
| 窓口 | 連絡先 | 向いている相談 |
|---|---|---|
| 日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター | 0570-051-051(9:00〜17:00、土日祝・年末年始を除く) | 協会員の業者の取り立てに関する苦情、返済の相談 |
| 金融庁 金融サービス利用者相談室 | 0570-016811(IP電話は03-5251-6811/平日10:00〜17:00) | 貸金業者の対応への苦情・情報提供 |
| 登録行政庁(財務局・都道府県) | 業者の登録番号で管轄を確認 | 行政処分につながる申告 |
| 法テラス(日本司法支援センター) | 0570-078374(平日9:00〜21:00、土曜9:00〜17:00) | 弁護士・司法書士の紹介、費用の立替制度の案内 |
| 警察 | 警察相談専用電話 #9110/緊急時は110 | 脅迫・暴行・居座りなど刑法に触れる行為、闇金 |
登録番号の「(1)」「(2)」といった括弧内の数字は更新回数で、登録の管轄は番号の頭(財務局長か都道府県知事か)で分かります。どこに申告すればよいかも、登録番号から逆算できます。
闇金の取り立ては、21条以前に契約が無効
闇金にも21条の禁止は及びます。ただ、闇金の場合はもっと手前に重要な規定があります。
| 規定 | 内容 |
|---|---|
| 貸金業法42条1項 | 貸金業を営む者が業として行う金銭消費貸借で、年109.5%(うるう年は109.8%、1日あたり0.3%)を超える利息の契約をしたときは、その消費貸借契約は無効 |
| 最高裁判決(2008年6月10日) | 著しく高利の闇金融について、借り手が損害賠償を求める場面で、業者側が交付した元本分を損益相殺として差し引くことは許されないと判断 |
「10日で3割」「1週間で5割」といった闇金の利率は、年利に直すと109.5%を大きく超えます。契約自体が無効なので、取り立てに応じる法的な根拠がそもそも弱い、という見方もできます。
ただし、闇金は法律を守る前提で動いていません。自分で交渉するのは危険です。警察(#9110、身の危険があれば110)と、闇金事案を扱う弁護士・司法書士に相談してください。家族や職場への嫌がらせが始まっている場合も、記録を持って警察へ行くのが先です。
取り立てが止まっても、借金は残る:債務の出口
21条は取り立ての「方法」を縛る規定です。借金そのものを消す規定ではありません。返せない状態が続いているなら、督促が適法でも違法でも、返済計画を立て直す手続きに進む必要があります。
| 方法 | 何が変わるか | 向いている状況 |
|---|---|---|
| おまとめ・借り換え | 複数の借入れを1本にまとめ、金利や返済日を整理する | まだ延滞が少なく、毎月の返済自体は続けられる |
| 任意整理 | 弁護士・司法書士が業者と交渉し、将来利息のカットや分割の組み直しを図る | 利息のカットや分割の組み直しがあれば、元本は返せる見込みがある |
| 個人再生 | 裁判所の手続きで、債務を大幅に圧縮して原則3年で分割返済する | 任意整理では返しきれないが、収入は安定している |
| 自己破産 | 裁判所の手続きで、返済義務の免除(免責)を受ける | 返済の見込みが立たない |
どの方法でも、弁護士・司法書士に依頼して受任通知が送られれば、21条1項9号により業者は本人への直接請求を原則として続けられなくなります。取り立てを止める手段として、法律の側に明文の根拠があるのは債務整理の依頼です。司法書士に依頼する場合、代理できるのは認定司法書士が扱える範囲(1社あたりの債権額140万円以下など)に限られる点は確認しておいてください。
債務整理をすると、その事実は信用情報機関に登録されます。いつ消えるか、審査にどう影響するかは、信用情報の仕組みとあわせて別記事で整理しています。
よくある質問
Q1. 夜8時に督促の電話がかかってきました。違法ですか?
時間帯だけで見れば、施行規則19条1項の禁止時間帯(午後9時〜午前8時)の外なので、1号違反にはなりません。ただし、あなたが返済日や連絡時期を申し出ていた場合は2号の問題に、何度も繰り返しかかってくる場合は柱書の問題になりえます。
Q2. 職場に電話が来ました。在籍確認とは違うのですか?
契約前の在籍確認は審査の手続きで、取り立てではありません。延滞後に勤務先へ督促の電話をすることは、正当な理由がない限り3号で禁止されています。携帯にも自宅にも連絡がつかない状態だと「ほかに合理的な連絡方法がない」として正当な理由が認められやすくなるため、業者からの連絡には応じられる状態を保つことをおすすめします。
Q3. 親に「代わりに払ってほしい」と連絡が行きました。
保証人でない家族に返済を求めることは、7号で禁止されています。家族が協力を断った後に重ねて求めれば8号にも当たります。記録を残し、日本貸金業協会や登録行政庁に相談してください。
Q4. 督促の電話を無視し続けたらどうなりますか?
取り立ての規制は「業者が何をしてはいけないか」の規定で、無視すれば督促が止まる仕組みではありません。無視を続けると、契約にもとづく一括請求、さらに支払督促や訴訟へ進む可能性があります。裁判所からの書類を放置すると、反論の機会を失ったまま判決が出ることもあります。連絡は取り、払えないなら払えないと伝え、専門家に相談するほうが結果的に負担を抑えられます。
Q5. 債権回収会社(サービサー)から通知が来ました。21条は関係ありますか?
貸金業者から債権を譲り受けた者には、24条2項により21条が準用されます。業者が変わっても、禁止される取り立て行為は同じです。まず通知に書かれた会社名で、法務大臣の許可を受けたサービサーかどうかを確認してください。架空請求の可能性もあります。
Q6. 録音は勝手にしてもよいのですか?
自分が当事者になっている通話を、自分の身を守る目的で録音すること自体を一般的に禁じる法律はありません。違反の有無を判断するうえで、録音は最も強い材料になります。
この記事の要点
- 取り立ての禁止行為は、貸金業法21条1項に10個列挙されている。列挙は例示で、それ以外でも平穏を害する言動は違反になりうる
- 電話・訪問の禁止時間帯は午後9時〜午前8時(施行規則19条1項)。勤務先への督促、第三者への返済要求、借金の暴露も禁止
- 違反には2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(併科あり)、業務停止・登録取消の行政処分がある
- 違反されたら、記録→名乗りを求める→登録番号の確認→窓口へ。弁護士・司法書士に依頼すれば9号で直接請求が止まる
- 闇金は年109.5%超の利息で契約自体が無効。自分で交渉せず警察と専門家へ
督促が来ているということは、返済計画がどこかで崩れているということです。取り立てのルールを知るのは身を守るためですが、根本の解決は借金の整理にあります。あなたの状況に合う出口を、早めに専門家と確認してください。
参照した一次資料
- 貸金業法(昭和58年法律第32号)21条、24条、24条の6の3、24条の6の4、42条、47条の3、49条、51条
- 貸金業法施行規則 19条
- 金融庁「貸金業者向けの総合的な監督指針」Ⅱ-2-19 取立行為規制
- 金融庁「貸金業の規制等に関する法律及び出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律案要綱」(2003年)
※本記事は2026年10月時点の法令・公表資料にもとづく一般的な情報提供であり、個別の案件について法的助言を行うものではありません。具体的な対応は、弁護士・司法書士、または上記の公的相談窓口にご相談ください。相談窓口の受付時間・連絡先は変更されることがあるため、各公式サイトでご確認ください。


